NOVEL

柔らかい緑の葉と、
黄色い棘のある花がむせ返る様な香りを撒き散らす垣根を薙いで行くと、
そこに綺麗な白で塗られた四角い塔がありました。
その塔の中で、白い服を着た人が行ったり来たりするのが、毎日のこと。
蜘蛛がひとり消えたのが、その日のこと。

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